M2[エムニ]/Mille Misa [みるみさ]/生まれつきの『カラリスト』

色聴の共感覚を持つアーティストmisa 革職人向け・皮革用塗料ブランド『M2(エムニ)』 独創的配色の手染め革製品『Mille Misa(みるみさ)』2ブランド同時進行で頑張ります Japan🇯🇵/Tokyo/naturalbone colorist

防汚コートと経年変化


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⚠️今回の記事は職人・クラフター・作り手さん向けの内容となっており、7,000字程の長文ですので途中息抜きをしながら読み進めていって下さいね(笑)⚠️



どもども~☀️😎

Mille Misa[みるみさ]/M2[エムニ]のmisaです

先日、Lizedりうさんの大人の工場見学会を開催しました(^^)

普段から我々のWSに足を運んで下さる方や、はじめましてのお兄さんもいらっしゃいました

工場見学はもちろん、革についてのお話や実験のような事もしました

普段皆さんが感じている革についての疑問等にも、りうさんは全てお答えしておりました💡

そしてですね、今回皆さんにお伝えする写真・記事の内容は「防汚コート・経年変化」についてのものです


以下、りうさんのブログ記事を参考文献にしつつ話を進めていきます


「タンニン鞣し生成りの革はそのままだと汚れやすいが、防汚効果を向上させ、それでも経年変化をさせられる事は可能か?」


答えは、可能です

汚れづらいけど経年変化がする革にする工程を紹介します


普段皆さんが手染めやカービングをする際に使用するヌメは、染まりやすい革であり汚れやすい革でもある下地です

直にワックスを塗れば黒くなり、水を付ければ跡が残ります

WSでは手染めをすることが前提なので、ワックス/クリームで色の深みを出しながら防汚効果を向上させてます

M2で販売している固形・クリームワックスは天然原料100%の為、大変質が高く革によく馴染むので、革に入れると地の色が上がります(濃くなります)

だいたい汎用品のワックスは、ほとんどのものに水が多く含まれており、色はさほど上がらないでしょう

私は普段から明るい染料を使う事が多く、ワックスを塗っても明るい発色をなるべく維持させたい派だったのですね

んでも、私のところで販売しているM2ワックスは添加物を一切使用していない良質なワックスなので、手染め後に塗ると必ず明るい青色も若干緑がかったような、深みのあるカラーになってしまっていました


「天然原料100%のワックスを塗れば、色が上がるのは当たり前なのだが、どうにかして染料本来の色目をなるべく変えずにコーティングは出来ないものなのか…」


更にもうひとつ。

最近、よくいろんな方々のインスタやSNSでも目にする『経年変化』というもの

正直な話、その経年変化って本当に『経年変化』と言えるものなのでしょうか?

ここのところ、りうさんはよくこう口にするのです↓


「結果を『経年変化』という言葉で美化してるだけで、劣化しているだけにしか見えない」


と。

革は高い素材と認識されていて、商品にも価値が転嫁されています


「色が褪せる」「型が崩れる」「手垢で黒ずむ」etc...


これって、本当に経年変化なのでしょうか?

かっこいいものなのでしょうか?


流行も趣味も否定はしません

それらをあえて狙ってるのなら良いのですが、そうなってしまった事を『経年変化=エイジング』と呼ぶのは、おかしくありませんか??


違う視点で考えると、

「革って高価ですよね?革製品は長持ちしますよー」とか

「下手したら一生もんですよ~」とか

そのような言葉を良く皆さんも耳にしていると思います

ですが、最近よくSNS等でも見かける「経年変化で半年でこれだけ色が変わりましたー」とか「すぐにこうなります(手垢で黒くさせました)」等という投稿……

これらは本当の意味の経年変化を知らない発言ですよね。

革製品は本来10年くらいは普通に使えるものなのに、半年でこれだけ色が変わってしまったら、1年も経てばドスが効いた真っ黒になっちゃいますやん(笑)

本来革は長い年月をかけて、じっくり経年変化をさせるものです

たかだか数ヶ月で色が変わって経年変化しました!とか、言えるようなものではないのです

それは単に汚しているだけっす

黒い革の黒さが増すだとか、色の深みが出るとか、使い込んで磨き艶が出るとか…

それらは製品メーカーやブランドがタンナーと用途に合わせて、狙って開発するわけで。


手染めをしている方でもエイジングで色が変わりますよー、徐々にこの発色は落ちてしまいますよー、等とおっしゃっている方を見かけますが、お客さんが買うきっかけとなったあなたが染める色目・カラー・発色等が少しでも長い期間、鮮やかに残った方が良いのではないかと私は思います

では、どのようにしたら染料の発色をなるべく落とさず、明るい発色を維持させながらコーティング加工出来るのでしょうか?



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「タンニン鞣し生成りの革はそのままだと汚れやすいが、防汚効果を向上させ、それでも経年変化をさせられる事は可能か?」


「手染め後の染料の発色をなるべく落とさず、明るい発色を維持させながらコーティング加工させる事は可能か?」


答えは、可能です

汚れづらいけど経年変化がする革にする工程を以下、ご紹介します


動画をメインに写真と共に、文章を読み進めていって下さい


※動画は下記私のInstagramページに掲載しています

https://www.instagram.com/p/BnVYI-Fgqao/



動画で一番最初に塗っている塗料はウレタントップのマット(艶消し)です

大人気のウレタントップ グロス(艶有り)ではなく、マットを使用するのがポイントです



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左からM2ウレタントップグロス、スタンダード、マット



グロスとマットの違いは、単純に「艶が出るか消えるか」ってだけです

簡単なことですね(笑)

艶が出ると革の細かな傷やスレが目立ちやすいので、マットの使用をオススメします



①M2のウレタントップのマット(艶消し)を薄~く塗りました
革の上半分にのみウレタントップマットを塗り、下半分には何も塗っていません

乾くとさほどムラは目立ちません


②ウレタントップマットが乾いたら(動画ではドライヤーで乾燥を速めました)、何も塗っていない箇所とウレタントップマットを塗った箇所にM2の固形ワックスを塗ってみます

縦方向にワックスをグリグリ塗りました

上半分の加工済みの箇所にはワックスのシミがありません

このワックスは一つ前のポストでもご説明した通り、天然原料100%の濃密なワックスなので、革によく馴染み濡れ色(色が上がる・濃くなる)になりやすいです

よく市販で出回っているワックス達のほとんどは、水などの添加物が多く含まれているので、さほど色は上がらないでしょう




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③ウレタントップマットを塗った上半分と、何も塗っていない下半分のワックスを縫った箇所の色の変わり具合がよく分かりますね

ワックス特有の磨き艶も出ているので、差がはっきりと分かります

キレイに仕上げたい場合は、ウレタントップマットを塗り重ねる際によく乾燥させてから重ねていった方が良いと思います




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④最後に水を垂らしてみました
何も塗っていない左下未処理の箇所は、簡単に水が革に入っていきました

処理した箇所は水滴となって、革が水を弾いているのが分かります

しばらくそのまま放置していたらシミになる可能性はありますが、たいていの人は革に水が付いた事に気付いたらサッと拭くなりして対処しますよね?

それまでの間に水に耐えられる革になれれば良いのです


ポイントとしては

★ウレタントップのマットを使用すること

★ウレタントップのマットを塗る際には薄く塗り重ねること


これで汚れづらいけど経年変化がする革の完成です✨✨


当店のM2ワックスは塗ると防水防汚にもなり、ある程度の水も弾きますが、ウレタントップマットを塗ってからワックスを塗ると、ワックスが革の表面に残る為防水防汚の効果が直接革に塗るより強まります

動画を観て分かる通り、これは手染め後にやっても同じ事が言えます
手染め後にワックスを入れると生成りの革は肌色をしているので例え明るめの青色の染料で染めたとしても、緑がかったような若干暗めの色になってしまいますよね

ですが、その問題も手染め後に当店のM2ウレタントップ マット(艶消し)を使う事によって防ぐ事ができ、更に防水防汚の効果もより強くさせる事が可能になります

下地(手染め前の革)にプラント・アニマオイルを塗りこんでおく事で、オリジナルの防汚性のあるオイルレザーも作れますね


ウレタントップマットをトップコートとして使う事により、手の垢や日常生活を送っていく上で自然と汚れてしまう汚れを防ぐ事が出来ます

つまりは、従来『経年変化』と呼ばれている本当の意味での経年変化=長い年月をかけて味わいのある感じに、ゆっくりと変化を楽しめる革を個人の作り手でも作れる事になります

タンナーが作った革は、数ヶ月で色が真っ黒になったりしませんよね?

長い年月をかけてこそ、本当の意味での『経年変化』と呼べると思いますし、それこそが『経年変化』なのです

たかだか数ヶ月・半年くらいで黒く(人によっては経年変化と呼んでいるような汚れ)になるのは、ヤバイっすよ

それは、単に革を汚しているだけだという事に、世のクラフターさん達に気付いてほしいです



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この前のりうさん主宰、大人の工場見学会の様子

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Lizedりうさんや私が発信していくレザークラフトに関する話は、タンナーがやっている技法を個人の職人・作り手さんにも出来るよう、個人向けに応用させた内容となっております

その為、我々が発信していく話はこれまで個人の方々の中には知っている人はいなかっただろうし、発信もされてこなかった内容です

ぶっちゃけた事を言うと、タンナー等の企業ではない個人の作り手相手に発信していける人・していこうと試みた人がいませんでした

りうさんは普段は日本国内はもちろん海外の企業・タンナーにドラム缶単位で塗料を開発・製造して売っている人なので、彼の発言する事に「間違い」という三文字は存在しません

正直な話、現在のレザークラフト業界は低迷しつつあるのが現状です

この業界の高齢化が進み、正しい革の知識や情報を知っている世代の方々が我々若者世代にきちんと革の事を伝えきれていないのが現状なのです

ハンドメイドブームが波に乗ってきた昨今、独学でレザークラフトを始めたり、まわりの人達がやっている事を見よう見真似であやふやな知識でやってしまっている人がたくさん出てきた結果、今のレザークラフトをやっている方々達の間では、本来は正しいとは全く言えないような技法・やり方・知識・情報が当たり前かのように浸透し、出回ってしまっているのです






私は、そんな日本のレザークラフト業界を一新させたいのです。

.
.

そんな世の中になってしまっている現状が、悔しくて、悲しくて、堪らないのです。







携帯電話は良い例で、例えば20年程前だとストレートタイプで画質も粗く、画面も小さい通話しか出来ないようなものしか出回っていませんでしたが、今ではとっても画期的な、進化を遂げた大変使いやすいタブレットタイプのスマートフォンが普及しています

その一方、我々レザークラフト界はどうでしょう?

20年、30年……もしかしたらもっと前の時代の頃から何も技法も変わらず、昔のままのやり方・技法・情報・個人の作り手が独学でやってきたやり方が独り歩きしてしまったような誤った手法が多く出回っているように見受けられます

時代は着実に前へ進んでいます

時代の変化と共にテクノロジーも発達し、我々人類の生活もより良いものを求め、提供し、住み良い環境になってきています

そんな進化する時代に生きる私達ですが、レザークラフト業界は残念ながら昔からさほど変わっておりません

今、レザークラフトを楽しんでいる皆さんにも、この現状に気付いてほしくて、この業界を変えたくて、私はりうさんとタッグを組んで活動しています

一人でも多くの革を愛する作り手に、新しいものを取り入れる勇気を持っていただきたい

昔からの伝統もジャンルによっては大切だったりもしますが、それが全てではないし、一番良いやり方であるとは限りません

いつまでも昔から出回っていて個人のクラフターが独学でやってきて広めたような手法が独り歩きをしてしまったやり方を当たり前かのように「正しいやり方」というような認識に思っている方がたくさんいらっしゃると思います

カービングの先生として生徒を持ち、カービングを教えているような人でさえ、悲しい事に革に水を含ませてからのカービングを推奨してしまっています…

中には正しいやり方もあるとは思いますが、私は切実に日本の職人・クラフター達にこの現状に気が付き、知って、変わってほしいと願っています

我々が広めていっている技法や知識・情報・考え方等を今、この記事を読んで下さっている方々全員に無理やり押し付けるつもりは全くありませんが、賢く理解でき、このやり方を自身の頭に入れ、これからもっともっとレザークラフトの知識を深めたいと強く思っている方、より自身の腕を磨きたい方にのみ分かっていただければ、私はそれで十分です



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工場見学会の時にmisaが唯一染めた、筆を使った色見本



トップコートは色落ち止めと防汚を兼ね揃えるのが基本で、M2でなくてもトップコートを販売しているお店はあります

買ってきた塗料をそのまま皿に盛って使用するのではなく、買ってきたものを自分の目的に合うようにアレンジすると、個性ある革製品になっていきます

まずはこの “考え方” をご自身の頭の中に入れて下さい


もし、今後もこのまま「革は汚れやすいのが経年変化」だと認識され続けていくような世の中になっていくのであれば……

極端な話、レザークラフト業界はキレイ好きな人達には敬遠されていくような世界になっていくでしょう

ですが、本来革ってそういうものではないと思うのです

塗料屋であるりうさんは、こう言っております↓


「塗料屋としてそういうことを防ぐ工法を提案しているのに、劣化を経年変化と表現することで美談にしてる人が最近多いなぁ。。。

『この汚れやすい革、どうにかならないのかー!!!』って、なぜ誰も声を出さない?

これって経年変化なの??
早い劣化じゃないの❓️❓️
用途に合わせて革って選ぶべきじゃないの❓️❓️❓️

わたしだけかな。。早く黒ずむのを劣化と思ってるのは。(by りう)」


革製品を買う時にさ、これは傷付きやすいので触らないでとか。。。

つまりはそれは、使い始めたらすぐに壊れるのか?ってことになっちゃいますやん(笑)

なんでも見た目だったり某有名なブランド名がついてる革ってだけで、使う素材を決めちゃダメですよー、あなたの個性はどこにあるんですかー?

革は○○レザー(ブランド名)使ってますとか。。。

我々個人の職人やクラフター、作り手にとって、本当の意味で大切な事ってそこじゃなくて、


「これはお財布だから●●の箇所に▲▲する事に気を付けて、■■こうして工夫して作っています」


とかでしょ❗️❗️❗️

ブランド名のある革を使う事を否定している訳ではありませんが、ぶっちゃけブランド名のある革を使って革小物を作っている⚠️“だけ”⚠️になっていませんか?

そこにあなたのオリジナリティー・個性は組み込まれていますか??

その個性ってものは、誰にでも出来るような事ではなく「あなただけ」にしか出来ない事であると、胸を張って言えるようなものですか???

そのうち、世のクラフター達みんなが皆、同じ革を使って同じ目線でものを作り、SNSでも同じような革小物の写真が溢れていそうで怖いすよ。。(まさに今、そうなりかけているかもしれない)

革に携わる塗料屋やタンナーは、水が革についてもやわくならんよう革の耐久性等を試行錯誤して上げているのはもちろん、人口汗やらの耐久性とも試験を重ねて戦っているのに…
.
個人のクラフターさん達の多くは、革を水で濡らしたり、水で濡らした革にカービングをしたり、水で薄めた染料で手染めしたり、手染め前に革に水を含めさせたり、革を水にバシャバシャ濡らして絞り・成形をさせたり……


革に水は本当、NGですからね❗️❗️❗️💦


お手入れは手垢で十分。。それが経年変化だ!とかっていう考えや発言をもしされている場合は、今日からこれだけは止めましょう



最後になりますが、今回ご紹介したものの他にもトップコートのやり方はたくさんあると思います

M2塗料は高濃度の設計から配合を前提としています

それは使い手の方々がオリジナル工法を見つけやすいようにする為でもあります

M2塗料は、混ぜちゃいけないものだけ理解して覚えれば、あとは何しても大丈夫です

最終的に見た目が良くて、色落ちなどの耐久性をクリアしてればOKなので

革によって同じ革でも部位によって答えが異なります

どこの箇所を使用してもほぼ同じ品質のテキスタイルではありませんからね

だから、革って面白いと思うのです





P.S. りうさんSNSでは顔出しNGなので、スタンプ貼っときました(笑)







🌈M2公式サイト🌈

https://www.m2-emuni.com




🍀Mille Misa公式サイト🍀

http://www.mille-misa.com




🌼misa店長のインスタグラム🌼

https://www.instagram.com/millemisa_m2/


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わたくし、飛んで歌ってスキップながら喜びの舞を踊っちゃいます(笑)





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